年末に向かって寒さが厳しくなっていく12月を過ぎたあたりから、「親が療養中なのですが、年末年始に亡くなった場合、ご葬儀はできますか?」というお問い合わせをいただくことが増えてきます。厚生労働省が出している「人口動態統計月報(概数)(令和2年4月分)」によると、日本人の年間死亡数の約27%が12月から2月に集中しているとの統計が示されています。
そこで今回は、年末年始にご葬儀を執り行えるのか、年末年始にご不幸があった際に気を付けることなどについてご紹介します。
年末年始にご家族にご不幸があった場合は、
年末の12月30日、31日、正月三が日は避けて、ご葬儀を執り行うのが一般的です。
31日は大晦日のために各ご家庭ですでに予定が入っていることが多く、正月三が日も同様です。そのため、年末の30日や31日、そして正月三が日に無理をしてご葬儀へのご会葬を求めるのは、ご会葬者の方々に大きな負担がかかってしまうため、基本的には避けるのが無難です。
ただし、ご親族だけで執り行われる家族葬のような小規模のご葬儀の場合はこの限りではなく、ごく近しいご親族だけで密葬を執り行い、後日執り行われる本葬でその他のご親族や友人・知人にご会葬していただくという方法もありますので、よく相談をしておきましょう。
また、ご葬儀を年末と正月三が日を避けるもう1つの理由として、ほとんどの火葬場が正月三が日を休みとしているために、火葬が執り行えないことがあげられます。
そのため、多くの火葬場の休みが明ける三が日以降にご葬儀の日程を考える必要がありますが、三が日以降は火葬場が非常に混み合うことが考えられます。場合によっては、故人様の死去からご葬儀までに10日以上かかってしまうこともあります。その場合は火葬場の順番待ちになってしまい、ご遺体の安置することを考えなければいけません。そのような場合は、すぐに葬儀社に相談をしましょう。葬儀社は一般的に365日24時間営業しておりますので、もしもの時すぐに対応してもらえます。
菩提寺や教会などでは、年末年始に様々な行事や予定が入っているため、司式者の方々は非常に忙しくされています。そのため、年末年始以降のご葬儀の予定を確実に抑えていただくためにも、なるべく早く連絡を取るようにしましょう。
ご葬儀の際は、何かと支払いが必要となる場面があります。しかし、年末年始は休みとなっている金融機関も多く、ATMも普段よりも利用時間が短縮されていたり、そもそもATMを利用できないということもあります。そのため、なるべく早いうちに現金を引き出しておくとよいでしょう。
公営斎場に故人様のご遺体を安置されている場合、公営斎場は年始は休みとなることが多いため、お線香を上げたり面会ができないこともありますので、注意が必要です。
年末年始にご不幸があった場合に、特に気を付けていただきたいのが「故人様の安置」です。年末年始のご葬儀はどうしてもご葬儀までの日数が開いてしまうため、故人様と後悔なくお別れができるように、ご遺体の状態を維持しておくことは非常に大切なことです。
そのため、ご遺体の安置をどのようにしているのか葬儀社を選ぶ際のポイントにしてもよいかもしれません。
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